サル痘の患者が増え続け、第二のパンデミックに直面しているのではないかと世間は懸念している。度重なる感染事例の背後にある理由を探る。
現在、スペインは世界で2番目にサル痘感染者が多い国だ。この病気による2例目の死者が確認された後、まだウイルスの脅威を把握できてない人々の間で、不安が生じ始めている。世界保健機関(WHO)が提供するデータによると、7月23日時点で、75か国に16,000人以上の患者がいるとのこと。
疫学者のキケ・バサット氏(Quique Bassat)は、視聴者にさらなる情報を提供するためRVTE(スペインのテレビ番組)の番組スタジオに中継で参加した。「流行の初期に“とても感染しやすい”イベントが多くあった場所だ」と指摘し、他の国より感染者が多いのは普通である」と言う。また、このサル痘ウイルスが警戒心を強める原因にならないように、“致死率が極めて低い”ことも強調した。
バサット氏は、“感染特性”がコロナウイルスとは異なるため、「指標となる症例からの感染リスクはかなり低い」と指摘し、これにより新たなパンデミックが始まる可能性は低いと強調し、安心させるメッセージを届けようとした。
ゲイ男性間での性的パートナーの数を減らすなど、WHOが推奨する安全対策に従うことの重要性を強調した。さらに、「現在発生している感染が、課された措置にどのように反応するかを観察する」ために、リスクグループに属する人達のためのワクチン接種プログラムを通じて、症例が減少することを断言した。
どのような症状が出るのか?
数日前、イギリス医学ジャーナル(The British Medical Journal)に、サル痘に関連する新しい症状を示すイギリス人患者の研究が掲載された。その中には以下の症状が見られる。
・陰茎の腫れ(浮腫)
・のどの痛み
・口腔病変
・直腸の痛み
・孤立性病巣
・扁桃腺の腫れ
・扁桃腺の炎症
これらに以前に知られていたものが加わる。
・皮膚又は粘膜の外傷
・熱
・リンパ節の腫れ
・筋肉痛
この病気に対するワクチンはあるのか?
現時点では、サル痘ウイルスによる感染症に特化した治療やワクチンは存在しない。しかしながら、天然痘ウイルスと遺伝子が似ているため、かつて処方された抗ウイルス薬やワクチンがサル痘に対して使用されている。
米国と欧州は、ジンネオス(JYNNEOS)またはインバネックス(Imvanex)と呼ばれるワクチンの使用がいち早く承認された場所である。これは感染した人と濃厚接触をした18歳以上の人をウイルスから守るものだ。その開発には、天然痘ウイルスの生体を改変したものが使用された。供給が限られているため、このワクチンは一般の人には使用されていない。
ondacero.es
Madrid|31.07.2022 14:48