一昨日19日投開票が行われたアルゼンチン大統領選の結果が、日本のX(旧Twitter)のタイムラインを騒がせていました。内容はどういったものかというと、新しく大統領に選ばれたハビエル・ミレイ氏の大胆且つ過激?な政策に関するもの。
私自身ラテンアメリカの政治は範疇外ですが、学生時代に地政学を研究していたのでその観点も踏まえながら少しお話ししていきたいと思います。といっても、そんな堅い話にするつもりはないので、寝る前にベッドに横になりながらでも見てください笑
さて、まずは大統領選の概略から見ていくとしましょう♪
19日投開票のアルゼンチン大統領選決選投票は、右派でリバタリアン(自由至上主義者)のハビエル・ミレイ下院議員が勝利した。3桁台を記録するインフレ率や貧困層の増加といった国内経済の問題に対し、抜本的改革を訴えた同氏に若者を中心に支持が集まった。当局によると、ミレイ氏の得票率は56%近くに達した。一方、対抗馬の与党連合の中道左派セルヒオ・マサ経済相の得票率は約44%。マサ氏はブエノスアイレスの選挙対策本部で「ミレイ氏に電話し、祝意を伝えた」と語った。国内経済が停滞する中、ミレイ氏は中央銀行と通貨ペソの廃止、歳出削減など痛みを伴う改革を訴えた。
ロイター通信『アルゼンチン大統領選、右派ミレイ氏が勝利 決選投票で』2023年11月20日午後 1:35
激戦を制し新たに大統領となったミレイ氏は、右派の自由至上主義者なんですね。
Xのポストを眺めていると、「極右」だとか「アルゼンチンのトランプ」だとか「過激」だとか「左翼終了」とか色々な意見が飛び交っています。
ニュースはセンセーショナルに報じられることも多いものですから、一旦一歩下がって俯瞰的な視点で見なければ全体像は見えてきません。これはどこの国や地域でも同じ事が言えますよね。
歴史的に見れば、ラテンアメリカは反米左派政権が多い傾向にも思えます。反政府組織が政党となって、後に政権を握ったりと日本では想像も付かないような政治体制が普通にある地域です。もちろん全ての国がそうである訳ではありませんが、歴史的政治的背景からそのような結果になっていると思われます。
アルゼンチンに話を戻すと、第2次世界大戦前前は先進国だったのです。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスは、「南米のパリ」とも称され栄華を誇っていました。
しかしながら、その後の政権による政策の失敗やら債務不履行に伴うデフォルトで、国がガタガタになってしまいました。アルゼンチンの政治の端的な特徴としては、右派と左派が交互に政権の座に着くことでしょう。政権が変わる度に国民は期待しますが、現状はなかなか上手くいっていません。
ここ数ヶ月のニュースを見ても、インフレ率が尋常じゃないくらい高く、スーパーで売られている商品の値段が一夜にして何倍にも跳ね上がるなど非常に苦しい状況が続いていました。そのせいで、略奪が横行したりと市民生活にも大きな影響、そして爪痕を残しています。
こういった中では、国全体にも暗雲が立ちこめ、ある種の閉塞感が国民を支配していたことでしょう。
今回のハビエル・ミライ氏の当選は、こういったやるせない現状を打破できる強いリーダーを希望した結果だと考えています。政策面では全てが良いとは言えませんが、ペソを廃止して米ドルにするとか各種省庁を廃止してスリム化したりとか税金を廃止したりとかいった斬新な政策も数多く見られます。これらの政策が吉と出るか凶と出るかは、もはや誰にも分からないでしょう。
個人的には、経済学における実験場だと言っても過言ではないと考えます。
今後の彼の政治手腕を注視していきたいですね。
思ったより薄い内容になってしまったかも知れませんが、今夜はこの辺にしておきたいと思います。明日もいい日が来るように😉
2023年11月21日
PJH代表 村上公平